【校長室より】 “自由の刑とは?”
2学期始業式にあたり、全校生徒に向けて次のような話をいたしました。
長い夏休みが終わり、今日から2学期が始まります。まずは、生徒の皆さんが元気な姿で登校し、この始業式を迎えられたことを大変うれしく思います。
夏休み中には、部活動の大会や資格の取得、補習、大学・専門学校・企業の説明会への参加、探究活動など、様々な経験を積んだことでしょう。一方で、思うような結果が得られなかった人もいるかもしれません。しかし、安心してください。成功も失敗も皆さんの成長の糧です。とりわけ失敗からは多くのことを学ぶことができます。大切なのは結果だけではなく、その経験から何を学び、次にどう生かすかです。ぜひ自分自身の歩みを振り返り、新たな気持ちで2学期をスタートしてください。
さて、2学期は学校生活の中で最も長く、文化祭や体育祭をはじめ、多くの行事が予定されています。これらの行事は、仲間と協力しながら目標に向かって努力し、人との関わり方や自分の役割を学ぶ大切な機会です。
真剣に取り組むほど、時には意見がぶつかることもあるでしょう。そのような時には、終業式で話しした問いを思い出してください。「他人の顔はどんな顔?」という問いかけです。自分と異なる考え方や価値観を持つ人に対して批判ではなく寛容であること、そして自分自身もまた誰かにとっての「他者」であることを忘れないでください。自分の立場だけで物事を見るのではなく、相手の立場に立って考えようとする姿勢を大切にしてほしいと思います。
3年生にとっては、進路実現に向けた大切な時期です。就職試験や大学等の入試が本格的に始まります。不安や迷いを感じることもあるでしょう。しかし、安心してください。不安を感じるのは真剣に自分の将来と向き合っている証でもあります。自分を信じ、一日一日を大切に積み重ねてください。
今日はここで、フランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルの言葉を紹介します。「人間は自由の刑に処せられている」という言葉です。少し難しい表現ですが、人は自分の生き方を自分で選び、その選択に責任を持たなければならないという意味です。
これは3年生だけに向けた言葉ではありません。1・2年生の皆さんも、日々の学習や学校生活の中で科目選択や進路選択など様々な選択をしています。誰かに決めてもらうのではなく、自ら考え、自ら選び、その結果に責任を持つことが皆さんを成長させます。
他者を尊重することも、自分の人生を主体的に選択することも、よりよく生きるために欠かせない力です。2学期には、その力を伸ばす機会が数多くあります。
失敗を恐れず挑戦してください。仲間と支え合ってください。そして、「人間は自由の刑に処せられている」という言葉の意味を噛み締めて、自ら考え、自ら選び、自ら行動する人へと成長して下さい。
皆さん一人ひとりが大きく成長し、充実した2学期となることを願っております。


