【校長室より】“他人の顔はどんな顔?”
一学期の終業式(7月17日)にあたり次のような話をいたしました。
一学期には様々なことがあったと思いますが、皆さんは新しい学年やクラスでの生活、学習や部活動に真剣に取り組んできました。その努力に対して、学校長として心から敬意を表します。
さて、今年のサッカーワールドカップも決勝戦を残すのみとなりました。選手・監督・観客のそれぞれの真剣な「顔」が印象的です。そこで今日は、“他人の顔はどんな顔?”という話をしたいと思います。
20世紀の哲学者エマニュエル・レヴィナスは、他人とは自分と同じではなく、自分の立場からだけでは絶対に理解できない存在だと考えました。そして、その象徴として「顔」を挙げています。少し周りの人の顔を見てみてください。自分とは違うところがたくさんあるはずです。顔が違うように、考え方や感じ方、価値観も違います。それは当たり前のことです。
しかし私たちは、ともすると自分の立場から相手を判断してしまいます。けれども、本当に相手を理解するためには、相手の立場や思いについて考え、相手の言葉に耳を傾けることが大切です。
学校生活は、自分とは違う人との出会いの連続です。クラスでの話し合いや友人関係の中で、自分とは異なる意見に出会うこともあるでしょう。そんなときにこそ、相手を否定するのではなく、相手の立場から考えてみてください。
そして忘れてはいけないのは、“自分の存在自体もまた、他者にとっては他者である”ということです。お互いを尊重し、理解しようとする姿勢が、信頼や協力につながり、学校をより良い場所にしていきます。
この一学期の経験は、喜びも悩みも含めて皆さんの成長の糧となっています。夏休みには、様々な事に挑戦し、自分自身を見つめ直してください。そして、周囲の人との関わり方についても“他人の顔はどんな顔?”という具合に、少し考えてみてください。
周りの人を大切にし、自分自身も大切にしながら、有意義な夏休みを過ごしてください。二学期に、さらに成長した皆さんと会えることを楽しみにしています。


